2017年12月16日、「知られざる東北の戦国期城郭 -宮城県域を中心に-」と題し、東北学院大学の竹井英文氏をお招きし、城郭史セミナーが開催された。その様子をレポートする。
開催場所は板橋区グリーンカレッジホール。今までは江戸東京博物館でセミナーを開催することが多かったが、現在改修工事中で、今後しばらくはこのグリーンカレッジホールで開催することが多くなるとの事。
当日の参加者は50人近く、2017年最後のセミナーだからか、ほぼ満席状態。前半は、東北の城郭研究の歴史を、著名な研究者、書籍の紹介を交えながら、戦前、戦後〜1980年代、1980年代以降の3世代に分けてお話された。
宮城県の城は、近世城郭はよく知られているが、戦国期城郭はまだまだ。破壊される前にまずはどこにどんな城があるのか、調査して周知することが急務。
後半は、宮城県、岩手県の戦国期城郭について竹井氏がここ数年見てまわった城郭を中心に、写真と縄張り図を見ながら紹介。これ以外にも、まだまだ眠っているとのこと。
最後に、竹井氏の活動についてのお話。専門である文献史学の立場から、東北地方の城郭関係資料のデータベースを作成し、来年度から東北学院大学の紀要で順次発表する予定。縄張り図の作成も行い順次公開してく予定とのこと。
近年ようやく縄張り図が作成されつつあるが、まだ始まったばかりで、どこにどんな城があるのか、文献資料にどの城が登場するのか、そうした基本情報が図っていない状況。なんとかしないと!
素晴らしい城が多いのに見学者がとても少ないので、全国の研究者、愛好家に是非見に来ていただきたい。注目が集まり、調査研究・保存整備の動きが活発になることを願っている。